「上新粉のおやき」と書いたけど、うちでは単に「おやき」と呼んでいた。
上新粉で作った生地に、あんこを包んだだけのもので、
あんこを包まなければ「団子」になり、よもぎを混ぜれば「草餅」になる。
「おやき(焼き)」と呼ぶけど、焼いて食べることはマストではなく、
作りたての柔らかいのを食べるのが最高に美味しい。
昔は、囲炉裏の灰に放り込んで「焼いて食べた」と聞いたことがあるけれど、
やっているところは見たことがない。
焼くと、それはそれで香ばしくて美味しい。
九州の太宰府で売られている、「梅ヶ枝餅」によく似ている。
材料は驚くほど少ない。
米粉、お湯、あんこ。
以上。
たったこれだけで、優しい味の、懐かしい素朴な「おやつ」が出来る。
材料も、作り方もシンプルだけど、四六時中食べるものではなく、
11月20日の日に作る食べものだと教わった。
調べてみたら、その日は「えびす講」なんですね。「おやつ」ではなく「お供え物」。
そんなわけで、他のお菓子よりは登場回数は少なめだったように記憶している(もちろん、「食べたい」とお願いすれば作ってくれたけど)。
尚、長野県地方の「おやき」と呼ばれるている食べ物は、
小麦粉で出来た皮に、野沢菜や茄子、かぼちゃなどを包んで、蒸す、あるいは焼くというもので、
私が慣れ親しんだ「おやき」とは全く違う食べ物。
なぜ、南信地方だけ米粉なのか、包むものがあんこだけなのか、調べてみたけど分からなかった。
上新粉だけで作るので、海外住みでも「White rice flour」があれば作れてしまうと思う。
ただ、米が違えば味が変わり、吸水率もかなり違うので、
生地の硬さとか、出来上がりのテクスチャーは、何度も作って体で覚えるしかないかもしれない。
ここでは、祖母も使っていた高山製粉の上新粉で水分量を決めています。
上新粉のおやき(Oyaki=Rice flour mochi wrapped in red bean paste)
Equipment
- 1 ボウル 直径20センチ程度
- 1 鍋 直径20センチ程度
- 1 すりこ木(または麺棒)
Ingredients
- 100 g 上新粉(White rise flour) 粳米の粉。
- 8 大さじ お湯(Hot water)
- 200 g つぶあん( Red bean paste)
Instructions
- こちらが材料です。100 g 上新粉(White rise flour), 8 大さじ お湯(Hot water), 200 g つぶあん( Red bean paste)
- まずは下準備。お鍋にお湯を沸かしておきます。
- あんこは、25gずつ丸めておきます。200gで計8個出来ます。量った方が綺麗にできるけど、家で作る分には8等分で構いません。200 g つぶあん( Red bean paste)
- 上新粉に、お湯を加えます。お箸など、先が細いもので混ぜながら、お湯を粉全体に散らす感じで混ぜていきます。100 g 上新粉(White rise flour), 8 大さじ お湯(Hot water)
- こんな感じに、ふわふわのポロポロした状態になります。
- ここからは、手でこねながらまとめていきます。初めは熱いので、しゃもじとかヘラを使ってもいいけれど、まとまってきたらしっかりこねて、ひとかたまりにしていきます。
- 捏ねたら、4つぐらいに分割して丸め、火が通りやすいよいうに中央を凹ませます。※ここで小さくしすぎてしまうと、生地が水分を吸いすぎてベタベタになってしまうので、少し大き目がいいです。
- 沸騰したお湯に入れて茹でます。お湯に入れた生地は、最初は沈みます。
- 火が通ってくると、生地が浮き上がってきます。そこから3分ほど茹でてください。周りがうっすら透き通ってくるはずです。
- 充分火が通ったら、お湯をよく切って、先ほどのボウルに移します。茹でた後のお湯は、この後いろいろ使えるので、捨てちゃダメ、絶対!!
- 擂り粉木や麺棒で、ついていきます。ここでよくつくと、お餅のように柔らかく、弾力のある生地になると、祖母から教わりました。と言っても、擂り粉木のような細い棒で、杵のようにはつけません。ある程度ほぐれたら、手で捏ねてください。熱いので、調理用ゴム手袋や、ポリ手袋を使うと早いです。
- 捏ね上がったら、8等分(約30g)に分割、丸めておきます。この時、生地を茹でたお鍋に、分割した生地を入れたボウルを置いて保温することで、柔らかいまま作業ができるので、お湯は捨てないで活用しましょう。なお、分割した生地には、乾燥しないように濡れ布巾か、濡らしたキッチンペーパーをかぶせてください。お鍋の蓋でもいいです。
- 生地を手のひら大に伸ばし、餡を包んでいきます。とじ目は下です。生地を閉じながら包む時のコツですが、あんこが生地につくと、閉じめが剥がれやすくなってしまうので、あんこを生地の継ぎ目につかないよう気をつけて包むとしっかり閉じれてオススメです。
- 全部包み終わったら完成です。
Notes
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